「グリチルリチン酸ジカリウム」の効果について

化粧品などにも使用される成分「グリチルリチン酸ジカリウム」の効果について

グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)は医薬品や化粧品の分野でよく利用されている成分で、シャンプーやリンス、化粧水や美容液、薬用石けんや皮膚のコンディショニング剤、香味剤や消炎剤、そして育毛剤などに配合されているのですが、育毛に対してはどんな目的で使われているのでしょうか?

グリチルリチン酸ジカリウムは、マメ科植物の甘草(かんぞう)の根や茎から抽出したものを、カリウム塩の形にしたグリチルリチン酸の誘導体のことで、解毒作用や抗アレルギー作用、抗炎症作用などがあるので、ニキビの薬などにも使われていて、赤ニキビのような炎症を伴うニキビの緩和に利用されている成分です。髪の洗いすぎや脂肪分の多い食生活などが重なると、毛穴のなかの皮脂腺から皮脂が過剰分泌されて、その皮脂が毛穴に詰まって頭皮が炎症を起こしてしまい、脱毛が起こりやすくなるのですが、これに対してグリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症作用と抗アレルギー作用があるため、頭皮に直接塗ることで炎症を予防することができて、頭皮環境を整えます。皮膚科で処方されている炎症治療用の外用薬は副腎皮質ホルモンが一般的で、即効性が期待できるというメリットがあるのですが、長期間使い続けると、高血圧・むくみ・カリウム喪失などの副作用のリスクが高くなりますが、グリチルリチン酸ジカリウムは副腎皮質ホルモンのような抗炎症・抗アレルギー作用があるにもかかわらず、医薬部外品や化粧品に分類されている育毛剤に配合されているものは作用が穏やかなので、副作用のリスクが少なく、炎症を安全に鎮めて毛髪が成長しやすい頭皮環境を整えることができるという効果があります。また、脂性肌の人だと毛穴から皮脂が過剰分泌されて、それが皮膚の常在菌のエサになってしまい、菌が繁殖して脂漏性皮膚炎が起こりやすくなりますし、逆に乾燥肌の人だと皮脂が不足してしまい頭皮表面のバリア機能が低下して菌が繁殖しやすくなったり、外部からの刺激を受けて乾燥性湿疹などが生じることがあり、脂漏性皮膚炎も乾燥性湿疹もどちらも痒みを伴って掻き壊すことで炎症が悪化したり、頭皮の新陳代謝が乱れてフケが出やすくなりますが、グリチルリチン酸ジカリウムは強い殺菌作用があり、頭皮の菌の繁殖を防ぐことで痒みやフケの症状を改善してくれる働きがあります。また、白血球のなかにある免疫細胞のマクロファージIL-12(インターロイキン-12)には体内に侵入した細菌やウィルスを捕食して他の免疫細胞に知らせたり、体を守る働きがあるのですが、グリチルリチン酸はマクロファージのIL-12を活性化させる働きがあるので、免疫力が高まって外部からの刺激に強くなり、健康的な頭皮環境を維持しやすくなるので、スカルプケア目的として育毛剤に配合されていることもあります。免疫力が高くなるということはそれだけシャンプーや紫外線などの外部からの刺激に対して、正常な反応をしてくれるということです。

グリチルリチン酸ジカリウムには、抗炎症作用と抗アレルギー作用があり、皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりによる頭皮の炎症を緩和したり、敏感肌などでシャンプーや外部からの刺激に弱くなっている頭皮がアレルギー反応を起こしてしまうのを防ぐ効果が期待できるということが理解できたでしょうか?炎症もアレルギーもどちらも薄毛の原因になりますが、炎症やアレルギーを抑えることで健やかな頭皮環境に整えて、脱毛を防ぎながら毛髪の成長を促してくれるので、炎症を伴うニキビなどの治療薬や皮膚の炎症を防ぐための化粧品、育毛剤などに、有効成分として広く使われているということです。

標準