日本でも有名な化粧品ブランドの資生堂から販売されているアデノバイタルは、近年リニューアルもされ、独自の有効成分であるアデノシンが薄毛や抜け毛に効果があると注目されています。このアデノバイタルに配合されている成分アデノシンの効果とはどのようなものなのでしょうか。

アデノシンは資生堂が研究開発した育毛成分であり、細胞を構成する核酸のうちのひとつにあたり、体内にも存在する物質です。この物質を頭皮につけ頭皮の奥まで浸透させ、毛乳頭細胞に作用することで、発毛を促す成長因子FGF-7を作り出す手助けを行っています。育毛剤の成分として認められ、2004年には医薬部外品として承認を受けた育毛成分のひとつなのです。薄毛のメカニズムとしては、薄毛の人の頭皮の細胞を見てみると、髪の毛の成長に必要な毛乳頭細胞が委縮し、発毛を促進する成長因子FGF-7が非常に少ない状態になっていることがわかります。毛母細胞は分裂することで、髪の毛そのものになりますが、この毛母細胞に成長の指令を出しているのが毛乳頭であり、成長因子であるFGF-7は指示を伝達する役割を担っているのです。毛母細胞は、この物質によって刺激を受けると、成長する前に抜け落ちてしまった髪の毛の寿命が長くなり、ヘアサイクルが正常に機能するようになるので、結果として髪の毛は太く強く成長し、抜けにくく健康的な髪の毛を育てることができるのです。育毛有効成分とはいえ、使用する時に気になってくることとして副作用があげられますが、試験的に6ヶ月使用した人からの副作用の報告はなく、たとえ副作用があらわれたとしてもその影響は非常に軽微なものであると言われています。しかしこの物質そのものに副作用がなかったとしても、この物質が含まれる育毛剤には、植物由来のエキスの他、保存料や香料、抗菌剤などの物質が含まれているものもあるため、アレルギーなどを持っている人は注意しながら使用したほうがよいでしょう。この物質の効果のメカニズムを見てみると、毛乳頭細胞に作用して、発毛を促進する成長因子FGF-7を分泌させるという点ではよいといえるのですが、なかにはこの効果によって発毛を実感できない人がいるため注意が必要になります。アデノシンの効き目が得られない人としては、特にAGAによって薄毛になっている人には、この物質そのものだけでは発毛は期待できないといえます。20歳代、30歳代の男性の脱毛の大きな原因となっているのがAGAであり、これは男性ホルモンが酵素と結合することで、脱毛の原因物質を作りだしてしまうことが最大の原因であるといわれています。脱毛因子が、髪の毛を作り出す毛母細胞を攻撃するために、髪の毛はやせて抜け落ちることとなり、ヘアサイクルが乱れてしまうのです。アデノシンを使用することによって髪の毛の成長は促されることにはなりますが、それ以上の衣脱毛因子の影響が大きすぎて、効き目が失われてしまうのです。そのためAGAによる薄毛の人の場合には、脱毛因子が作りだされるのを抑制して抜け毛の原因を取り除いたうえで、成長因子の活性化を目指すという手順が必要となります。この物質は女性の薄毛にも使うことができる育毛剤であり、ホルモンへの影響もないため、妊娠中や出産後に起こりやすい抜け毛や、生活習慣の乱れによって髪の毛が薄くなる症状の改善にも適しています。

アデノシンは現在でも資生堂が研究、開発を続けていて、育毛剤としてはずっと使われているものです。継続して使用する人たちの声をもとに、発毛治療に関する研究も続けていることから、さらなる研究の進歩に注目していきたいところです。