「ノコギリヤシエキス」の効果について

育毛サプリメントなどに含まれる成分「ノコギリヤシエキス」の効果について

男性の薄毛は、生え際が後退するM字ハゲや頭頂部にお皿が載ったような状態になるO字ハゲと呼ばれるものなどフロントからセンターにかけての部分に集中するのが特徴で、男性ホルモンのテストステロン(testosterone)が変化したDHT(Dihydrotestosterone)という物質が原因のAGA(Androgenetic Alopecia)という症状が大部分を占めています。この症状は、DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することにより、Transforming growth factorという脱毛因子が誘導されて、FGF-5というヘアサイクルにおけるスイッチの役割を果たしているタンパク質に脱毛指令を伝達し、成長期の髪の毛が退行期に移行することにより短いままの状態で抜けやすくなるという内容で、日本人男性の場合の発症頻度は約30%と考えられています。

なお、この症状は基本的には生理的な現象に過ぎず、生え際から頭頂部までの髪の毛が全てなくなるまで進行したとしても健康状態が悪化するということはないのですが、見た目が大きく変わってしまうので、社会的な影響を避けることは出来ないために多くの人が悩んでいいます。ただし、既にプロペシア(Propecia)という治療薬が開発されており、2005年には1年間の臨床試験を経て厚生労働省からも正式に承認されているために、現在では医療機関で処方されています。ちなみに、臨床試験では、頭頂部の写真評価により、軽度改善以上の効果が被験者の58%に、不変以上の効果は被験者の98%に認められており、これに引き続いて行われた2年間及び3年間の比ランダム化比較試験では、軽度改善以上の割合が68%及び78%の症例で得られています。

なお、プロペシアの具体的な作用機序は、AGAの原因物質DHTの生産に関与している5α-リノクターゼ(5α-reductase)という還元酵素の活性を阻害するというもので、飲む育毛剤などと呼ばれてはいますが、頭皮や頭髪に対しての直接的な作用はないために、他の脱毛症に対しての効果は全くありません。また、AGAであっても女性の症状に対しては海外で実施された良質なランダム化比較試験により無効であることが証明されているので処方されることはなく、男性でも未成年者に対しては成人を対象とした臨床試験しか国内では行われていないために安全性が確保されていないという理由で、こちらも同様に処方されることはありません。

このようなプロペシアを利用することが出来ない場合の代替案として注目されているのが、アメリカ大陸に自生している天然ハーブのノコギリヤシの果実から抽出したノコギリヤシエキスを配合した育毛サプリメントで、5α-リノクターゼの活性を阻害するという作用があるので、プロペシアと同様の効果を発揮すると考えられており、しかも副作用の危険がないということで安全性という点でも魅力的です。ちなみに、ノコギリヤシエキスは日本では厚生労働省からは承認されていないために、医薬品としての提供はされていませんが、フランスやドイツなどのヨーロッパでは有効性が認められており、AGA同様にDHTが原因で発症する前立腺肥大の治療薬として利用されています。つまり、ノコギリヤシエキスにはDHTに対しての抑制作用は確実にあるということで、脱毛症の進行も高確率で止めることが可能と推測されているために、育毛サプリメントや育毛剤などの薄毛ケアアイテムに配合されるケースが増加しており、プロペシアを利用することが出来ない人や副作用が怖くて利用できないという人の薄毛の悩みの改善を期待されています。また、ノコギリヤシのサプリは試したいけどちょと値段が高い。。。という人にはスカルプシャンプーにもノコギリヤシエキスがふくまれているケースも多く、スカルプシャンプークエストなどのサイトで、しっかりと成分を比較して試されるのも良いでしょう。

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